猫の腎・泌尿器の病気に気をつけたい理由|今日からできるケアのポイント
「最近、猫がトイレに何度も行く気がする」
「おしっこの色が少し濃い?」
「前より飲水量が増えたかも」
そんな変化を感じたことはありませんか?
猫はもともと泌尿器のトラブルが多い動物です。
とくに中高齢の猫では、腎臓病や尿路結石症(尿石症)、膀胱炎などの病気が増えてくる傾向にあります。
そのため、早めの対策がとても大切です。
今回は、猫がかかりやすい泌尿器の病気と、日常生活で気をつけたいポイントを獣医師が分かりやすく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、猫の泌尿器トラブルに気をつけるきっかけにしてください。
猫が泌尿器の病気になりやすい理由
猫の泌尿器についてまず知っておきたいのは、「猫の体質そのものが泌尿器のトラブルを起こしやすい」ということです。
猫は砂漠地帯で生活していた祖先の影響から、水をあまり飲まなくても生きられる体をしています。
そのため、尿が濃くなりやすく、腎臓や膀胱に負担がかかりやすいのです。
また、ストレスや食事内容、年齢によっても尿の質が変わり、尿路結石症(尿石症)や膀胱炎を引き起こすことがあります。
猫が元気そうに見えても、体の中ではトラブルが進んでいるケースも少なくありません。
猫がかかりやすい主な泌尿器の病気
早速、猫の泌尿器系でよく見られる代表的な病気を紹介します。
どれも早期発見・早期治療が重要です。
慢性腎臓病
猫の病気の中でもっとも多いと言われるのが慢性腎臓病です。
慢性腎臓病は腎臓の働きが徐々に低下していく病気で、一度悪くなると完全には治りません。
ただし、早期に見つけて治療を始めることで進行を遅らせることは可能です。
- 最近よく水を飲む
- おしっこの量が増えた
- 体重が減った
などの変化が見られたら注意しましょう。
慢性腎臓病は定期的な血液検査や尿検査で早期発見ができます。
尿路結石症(尿石症)
尿路結石症は尿の中にミネラルが結晶や石となってたまり、尿道や膀胱に詰まる病気です。
特にオス猫は尿道が細く、尿道に詰まりやすい傾向にあります。
尿路結石症には「ストルバイト結石」「シュウ酸カルシウム結石」によるものなどがあり、それぞれ原因や食事対策が異なります。
おしっこをする姿勢で長くうずくまっている、トイレに何度も行くといった様子が見られたら、すぐに動物病院を受診しましょう。
尿路結石症は再発しやすい病気でもあるため、その後のケアも重要です。
膀胱炎
膀胱炎は、膀胱の内側に炎症が起こる病気です。
- 細菌感染
- ストレス
- 寒さ
- 尿路結石
などが原因になることもあります。
とくに
- 血尿が出る
- 排尿のときに鳴く
- トイレ以外でおしっこをする
などのサインが見られたら膀胱炎の可能性があります。
膀胱炎をくり返す猫では、慢性的なストレスや基礎疾患(腎臓病など)が関係している場合もあります。
早めに原因を見極め、再発しにくい生活環境を整えてあげることが大切です。
下部尿路疾患(FLUTD)
「慢性腎臓病」「尿路結石症」「膀胱炎」などの膀胱から尿道までの病気をまとめて、下部尿路疾患(FLUTD)と呼びます。
これらは互いに関連しており、どれか一つがきっかけで他の病気を引き起こすこともあります。
下部尿路疾患は命に関わることもあるため
- おしっこが出にくい
- 血尿が出る
- 頻繁にトイレに行く
などの様子が見られたら早めに受診を。
とくにオス猫では尿道閉塞によって急性腎障害を起こす危険があり、早期対応が非常に重要です。

ご家庭でできる泌尿器ケアのポイント
猫の泌尿器の病気を防ぐためには、日常のケアと観察が欠かせません。
ここでは、ご家庭で今日からできる5つのポイントを紹介します。
1. 水分をしっかりとる工夫
猫はもともと水をあまり飲まない動物です。
飼い主様が意識して猫の水分摂取量を増やしてあげることで、腎臓や膀胱への負担を減らせます。
具体的には
- 複数の場所に水を置く
- ウェットフードを混ぜる
- 水の温度をぬるめにする
など、飲みやすい環境を工夫しましょう。
2. 食事内容の見直し
猫の泌尿器の健康維持には、フード選びがとても大切です。
最近は塩分やミネラルのバランスに配慮された「泌尿器ケア用フード」も多く販売されています。
ただし、食事は自己判断で切り替えるのではなく、獣医師と相談しながら選ぶのが安心ですね。
3. トイレ環境を快適に
トイレが汚れていたり、落ち着かない場所にあると、排尿を我慢して膀胱炎の原因になることも。
静かで清潔な場所にトイレを設置し、猫がいつでも安心して使える環境を整えましょう。
4. ストレスを減らす
環境の変化や多頭飼育などの環境ストレスは、泌尿器トラブルの大きな原因の一つです。
ストレスを減らすためにも、隠れ場所を作る、遊び時間を設けるなど、リラックスできる環境を意識してあげましょう。
5. 定期検診を忘れずに
猫の見た目が元気でも、腎臓病などは気づかないうちに進行していることがあります。
年に1〜2回の血液検査や尿検査で、早期発見・予防が可能です。

まとめ
猫は我慢強い動物で、体調の変化を隠すことが得意です。
だからこそ、飼い主様が「小さな変化」に気づいてあげることが一番の予防になります。
日々の観察が、病気の早期発見につながります。
今のうちから少しずつケアを見直して、愛猫の健康寿命を延ばしてあげましょう。
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