犬の健康を守るために知っておきたいフードの選び方|フード選びのポイントを解説

犬のフード選びに悩まれている飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか?
特に病気を抱えた犬の飼い主様は
「うちの子にはどんなフードがいいの?」
「病気があるけど、どんなことに注意すればいいの?」
と不安になることも多いはずです。
犬のフード選びは犬の体質や持病に合わせた選択が大切です。
この記事では犬のフード選びのポイントを獣医師の観点から詳しく解説します。
犬のフード選びに困っている飼い主様は最後までお読みいただき、参考にしてみてください。
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ドッグフードの種類 〜総合栄養食とは?〜
犬のフード選びを考える際、まず知っておきたいのがドッグフードの種類です。
市販されているドッグフードには目的や成分によって複数のタイプがあり、それぞれ役割や特徴が異なります。
フードの種類について正しく理解することは犬の適切な健康管理に重要です。
ここでは総合栄養食を中心に、代表的なドッグフードの種類とその特徴を説明します。
総合栄養食
総合栄養食とは、そのフードと水だけで必要な栄養素がバランスよく摂取できるように作られているフードです。
日本で販売されているペットフードを総合栄養食と表示するには、専門機関が設定する栄養基準を満たしている必要があります。
総合栄養食は子犬用、成犬用などライフステージに合わせた製品が販売されています。
療法食
療法食は特定の病気の管理のために栄養成分が調整されたフードです。
療法食は疾患ごとに細かく対応した製品があり、病気の犬にとって非常に重要な役割を果たしますが、自己判断で使用するのは危険です。
療法食を使用する際は必ず獣医師と相談しましょう。
一般食
一般食はおもにトッピングや補助的な栄養源として利用されるフードです。
一般食を主食にしてしまうと栄養バランスが崩れてしまうので注意が必要です。
一般食はウェットや缶詰に多く見られます。
犬の食いつきがよいものが多いですが、総合栄養食と組み合わせて使いましょう。
犬のライフステージに合わせたフードの選び方
犬はライフステージによって必要な栄養バランスやエネルギー量が大きく変化します。
犬の成長段階に合わせたフードを選ぶことで、健康維持をサポートできます。
ここでは犬のライフステージに合ったフード選びについてみていきましょう。
子犬期
子犬は生後1歳になるまで、凄まじいスピードで成長します。
子犬は成犬に比べて多くのエネルギーと栄養素を必要とします。
高タンパク質、高カロリーのフードを選び、骨や筋肉の発達をサポートしましょう。
骨や歯の形成にはカルシウムとリンのバランスも大切です。
成犬期
成犬期は体の成長が止まり、体重や体型が安定する時期です。
一般的には1歳から7歳前後が目安ですが、犬種や体格によってもやや前後します。
成犬期はライフスタイルや活動量に応じて最適なエネルギーと栄養素をバランス良く確保することが大切です。
過剰なカロリー摂取は肥満や生活習慣病の原因になるため、体重管理も意識しましょう。
シニア期
犬も高齢になると、運動量が減り、基礎代謝が落ち、内臓の働きや消化機能が衰えてきます。
犬が7歳前後になったらシニア用のフードへの切り替えを検討し始めるとよいでしょう。
腎臓病や心臓病などが見つかった場合は専用の療法食に切り替えたり、獣医師指導のもとで食事内容を見直す必要もあります。
持病がある犬のフード選びのポイント
犬が病気になった時も適切なフード選びは非常に重要です。
病気の種類によって必要な栄養素や避けるべき成分が異なるため、獣医師と相談しながら慎重に選びましょう。
ここでは、代表的な疾患とそれに合わせたフード選びのポイントを解説します。
アレルギー
食物アレルギーは、特定のタンパク質に対する過剰な免疫反応によって引き起こされます。
食物アレルギーの犬はアレルギーの原因となる食材を特定し、アレルギーの原因を除去したフードを選ぶことが重要です。
また、皮膚や被毛の健康をサポートするオメガ3脂肪酸などが強化されているフードも有効です。
肥満
人間同様に犬も肥満になると、さまざまな健康問題を引き起こします。
肥満の犬は低カロリーのフードで体重管理を行い、適正体重を目指しましょう。
食物繊維が多いフードは満腹感を得やすく、体重管理に役立ちます。
腎臓病
腎臓病の犬は低タンパク質で、リンやナトリウムを制限したフードがおすすめです。
これらの成分を制限することで、腎臓への負担を軽減し、病状の進行を遅らせることができます。
ただし、質の良いタンパク質を最低限取り、水分摂取も意識することが大切です。
心臓病
心臓病の犬はナトリウムの摂取制限が重要です。
ナトリウムを制限することで、体液貯留や血圧上昇を防ぎ、心臓への負担を軽減します。
また、心臓の健康をサポートするタウリンやL-カルニチン配合のフードもおすすめです。
糖尿病
犬の糖尿病の管理において、食事はインスリン治療同様に大切です。
血糖値を適切にコントロールするには高線維で低カロリーのフードが推奨されます。
糖尿病治療ではフード内容だけでなく、毎日の食事タイミングや量も重要ですね。
尿路結石
尿路結石は、尿中に含まれるミネラルが結晶化してできる結石です。
結石の種類ごとにカルシウムやマグネシウムなどのミネラルバランスが調整された療法食を選びましょう。
尿を薄め、結石の形成を防ぐにはウェットタイプの食事や水分を多く摂る工夫も重要です。
犬のフードの切り替え方
犬のフードを急に切り替えると胃腸トラブルを起こすことが多いです。
新しいフードに切り替える際は急激な変更を避け、徐々に新しいフードに慣れさせていきましょう。
フードの切り替えは1〜2週間ほどかけて、古いフードに新しいフードを少しずつ混ぜていき、最終的に新しいフードに完全に切り替えます。
また、間違ったフード選びはかえって病気を悪化させることがあります。
療法食を使用する場合は必ず獣医師と相談しながら進めてください。
まとめ
犬に最適なフード選びは飼い主様にとって容易ではありません。
特に、病気を持つ犬の場合は適切なフード選びが健康管理において非常に重要になります。
この情報が、犬の健康維持に役立つことを願っています。
何かご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
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