動物病院の経営戦略について|成功する病院のポイントとは?

腕を組み思案するスーツを着た男性

動物病院の経営戦略について|成功する病院のポイントとは?

動物病院の経営環境は近年大きく変化しています。
企業病院の台頭やペットオーナーのニーズの多様化が進み、従来の経営モデルでは競争に勝ち残るのが難しくなってきました。
特に個人経営の動物病院は、柔軟な運営が可能である一方で、資金調達の難しさや経営の安定化といった課題を抱えています。
そこで重要になるのが、戦略的な経営の視点です。

今回は、競争に勝ち残るための動物病院の経営戦略について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、経営のヒントにしてみてください。

目次

動物病院の経営課題とは?

動物病院の経営にはどのような課題があるのでしょうか?
細かく解説していきましょう。

競争の激化

動物病院数は年々増加しており、特に都市部では同じエリアに競合病院が複数あるのが一般的です。
農林水産省が公表した「令和5年飼育動物診療施設の開設届出状況(診療施設数)」によれば、日本全国の動物病院数は16,825件で、ペットの診療を行う「小動物、その他」の病院は12,706件あります。

また近年は企業病院が増え、豊富な資金力で最新設備を導入し組織的な運営を行うため、個人病院が同じ土俵で戦うのはなかなか厳しくなっています。
競争を勝ち抜くためには、ターゲットを明確にし他院と差別化できる強みを持つことが重要です。

売上の安定化が難しい

動物病院の収益は主に診療収入によって成り立っていますが、診療の需要は季節や経済状況によって変動しやすいのが特徴です。
特に、犬猫の予防医療は季節性があるため、年間を通じて安定した売上を確保するには、診療以外の収益源も考慮する必要があります。

人手不足とスタッフの定着率

獣医師や動物看護師の確保は、動物病院経営における大きな課題の一つです。
動物病院は現在人手不足の状況にあります。

特に個人病院では

  • 給与や待遇面で企業病院に劣る
  • 労働時間が長く、ワークライフバランスが取りにくい

などの理由から、スタッフの離職率が高くなる傾向があります。
長期的な経営のためには、働きやすい職場環境づくりも戦略の一環として考える必要がありますね。

黒板に書いてあるグラフ

成功する動物病院の特徴とは?

では、現在経営が成功している動物病院にはどのような特徴があるのでしょうか?

経営が成功している動物病院には、以下のような特徴があります。

  • 立地の選定が適切
  • 診療の幅が広い
  • 飼い主との信頼関係を重視
  • マーケティングを活用

具体的にそれぞれの特徴について解説していきましょう。

立地の選定が適切

成功している動物病院は、ペット飼育率が高い地域を選び、競合病院との差別化を考えています。
近隣に動物病院が多い場所は避ける、自身の診療得意分野が被っていない場所を選ぶなど、適切な立地を選ぶことで患者数を増加させることに成功していますね。

診療の幅が広い

一般診療に加え、予防医療や専門診療を取り入れることが大事です。
整形外科や腫瘍科などの専門診療を強化し紹介患者を増やしたり、猫専門、エキゾチックアニマル専門など、特定ニーズに応えたりすることで競合病院の差別化がはかられ、患者数も増加します。

飼い主との信頼関係を重視

近年は口コミなどで病院を調べて行く飼い主も多くいます。
診療の説明を丁寧に行い、アフターフォローが充実している動物病院は、飼い主の満足度も上がり患者数が増加する傾向にありますね。

マーケティングを活用

ホームページやSNSの活用は重要です。
開業しても飼い主に知ってもらわないと来院してもらえないため、SNSなどを活用して病院の魅力を伝える病院が増えてきています。
ホームページやブログを活用している病院が成功する傾向にありますね。

これからの動物病院の経営戦略は?

これからの個人動物病院は、既存の動物病院や企業動物病院に勝てるような経営を行っていかなくてはいけません。
では新規開業や、既存の個人動物病院が生き残っていくためには、どのような経営戦略を取ればいいのでしょうか。
経営課題や成功している動物病院の特徴をもとに、有効な経営戦略をご紹介します。

適切なターゲット選定をする

個人動物病院はターゲットとなる飼い主層を明確に定めて、適切なサービスを提供する必要があります。

具体的には、

  • 予防医療と一般診療をメインにし、長期的な信頼関係を構築していく地域密着型
  • 認定医などの資格を活かし、特定の診療科に特化する高度医療型
  • 猫やウサギなど特定の動物種に特化した専門病院型

などのように、ターゲットを絞ることで企業病院にはない強みを打ち出すことができます。

また、近隣動物病院の休診日などを確認して休診日をずらしたり、日曜や夜間の診察を組み込むのも戦略の一つです。

収益モデルの多様化

動物病院では診療収入だけに頼ると、売上が安定しにくいため、追加収益モデルを取り入れることも有効です。

例えば

  • 療法食やサプリメント・ペットケア用品の販売
  • トリミング・ペットホテルとの連携
  • ワクチンや健康診断の定期契約

など、診療以外のサービスを展開することで、安定した収益基盤を構築可能です。

デジタルツールの活用

最近では、動物病院でもWEB・SNSを活用した情報発信や予約管理が当たり前になっています。

  • ホームページで診療内容をわかりやすく案内
  • LINE公式アカウントで予約受付・診療リマインドを配信
  • Instagramで病院の雰囲気を発信し、新規患者を獲得

などが有効な手段です。

特に若い世代の飼い主は、SNSで動物病院を探すことが多いため、上手に活用することで集客することができます。

飼い主との信頼関係を築く

動物病院では飼い主にかかりつけになってもらうことが一番重要です。
「この病院なら安心」と思ってもらうためにも飼い主との信頼関係を築くことが大切ですね。
具体的には、診察時の説明を丁寧に行い飼い主の不安を解消するなどが有効です。

スタッフの教育・マネジメント

動物病院を経営していくためには1人ではなかなか難しいため、優秀なスタッフを教育し定着率を上げることも大切です。

  • シフトの柔軟化や休日の確保(ワークライフバランスを整える)
  • 定期的な勉強会・研修の実施
  • スタッフの意見を経営に反映

などで、スタッフの質とモチベーションを上げることで、飼い主の満足度も高まります。

経営の効率化

個人病院では使える資金は限られています。
経営を成功させるためにも、コストを見直し新しいサービスや機器の導入にあてることが重要です。
経営コンサルタントを利用して、経営の見直しをはかることも有効な手段の一つですね。

悩む2人の獣医師

今後の動物病院業界の動向

今後の動物病院業界では、以下のような変化が予測されます。

  • 企業病院の拡大による買収の動き
  • オンライン相談の導入が進む可能性
  • ペットの高齢化に伴う介護需要の増加

個人動物病院は、変化する業界の動向に合わせて病院の経営戦略を練ることが求められます。
個人での経営戦略に限界を感じた場合は、外部のコンサルタントを導入し、最新の情報を取り入れながら経営戦略を練っていくことも一つですね。

まとめ

近年動物病院の数は増え、競争が激しくなっています。
新規開業や個人動物病院では、戦略的な経営を行うことで、動物病院の長期的な成長を狙う必要があります。
正しい戦略を練るためには時には人を頼っていくのも良いでしょう。

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この記事を書いた人

臨床歴10年以上の獣医師で
「動物病院業界を、良いものが正しく伝わる業界へ」
をテーマに動物病院向けのwebマーケティング支援を行っております。
主にSEO対策、SEO内製化支援、MEO対策、SNS運用代行を行っております。

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