動物病院の料金の決め方|適正価格と利益を両立する方法
動物病院を経営する上で、適正な料金設定は非常に重要です。
料金が高すぎると飼い主の負担になり、低すぎると利益が確保できません。
「近隣の病院と同じ料金でいいのか?」
「適正価格をどのように決めるべきか?」
「値上げしたいが、患者離れが心配…」
このような悩みを抱える院長も多いのではないでしょうか?
本記事では、動物病院の料金の決め方や価格設定のポイント、値上げのタイミングや注意点について詳しく解説します。
動物病院の料金設定の基本
動物病院の料金は、単なる費用回収ではなく、経営を安定させ、持続的に成長するための重要な要素です。
料金を決める際には、以下の3つの要素を考慮する必要があります。
- 原価を考慮する
- 市場価格をリサーチする
- 付加価値を考慮する
それぞれ説明していきましょう。
原価を考慮する
動物病院の料金は、診療にかかるコストを正確に把握し、それを回収できる価格設定にする必要があります。
動物病院の主なコスト要因
コスト項目 | 具体的な内容 |
人件費 | 獣医師・動物看護師・受付スタッフの給与、福利厚生 |
薬剤・医療材料費 | ワクチン、消耗品、検査キット、薬剤の仕入れ |
設備維持費 | レントゲン・超音波機器・手術設備の維持管理、修理費 |
光熱費・家賃 | 電気・水道・ガス代、テナント賃料、清掃費用 |
このように、動物病院の経営にはさまざまなコストが発生します。
適正な料金設定を行うには、これらの費用を考慮することが不可欠です。
市場価格をリサーチする
近隣の動物病院の料金と比較し、相場から大きく外れない価格設定を行います。
市場調査の方法としては、
- Webで競合病院の料金を調査
- 飼い主からの口コミ情報を参考にする
- 獣医師会やコンサルタントの業界レポートのデータを活用
などがあります。
特に動物病院向けコンサルタント会社では、診療料金の統計データを詳しく公表している場合がありますので、参考にしてみてください。
単に競争相手より安くするのではなく、自院の強みやサービス内容に応じた価格設定を行うことが大切です。
付加価値を考慮する
同じ診療でも、病院のサービス内容や診療の質によって価格に違いをつけることが可能です。
例えば
- 最新の医療機器を導入し、精度の高い診断ができる
- 夜間診療や救急対応を実施
- 専門性の高い診療を提供
などが付加価値になります。
飼い主にとって「納得できる」と思える価格設定が重要です。
料金設定の具体的なステップ
ここからは料金設定に関する具体的な手順についてご紹介していきます。
ステップ1|コスト計算を行う
まずは、診療1件あたりのコストを算出し、それを基に最低限必要な価格を決めます。
計算式の例
(人件費+薬剤費+設備費+その他の運営費) ÷ 月間診療件数 = 1件あたりの最低診療費
例えば、1ヶ月の総費用が500万円、月の診療件数が1,000件なら
500万円 ÷ 1,000件 = 1件あたり5,000円
が最低価格になります。
この価格をもとに、利益率を考えて価格を設定します。
ステップ2|競合の料金を参考にする
次に近隣の動物病院の料金と比較し、自院の適正価格を調整します。
適正価格を調整するためには、競合動物病院との違いを明確にすることが重要です。
同じ価格帯にするなら、より高品質な診療やサービスを提供する必要があります。
自院にしかない付加価値を考慮する場合は、その分競合動物病院よりも料金を高く設定してみましょう。
ステップ3|飼い主に納得してもらう
価格を設定したら、飼い主に「この病院は適正な料金だ」と思ってもらう工夫をしましょう。
- Webサイトやパンフレットに料金を載せる
- インフォームドコンセントで治療費について詳しく説明する
- 料金に見合った付加価値を提供する
などの工夫で、料金の透明性を高めることで、価格に対する不信感を減らすことが可能です。
獣医療法の広告規制改正について
2024年4月の獣医療法改正により、動物病院の広告規制が緩和されました。
これにより、従来は制限されていた料金の具体的な記載が可能になり、ホームページや院内掲示などでの情報提供の幅が広がっています。
しかし、
- 虚偽・誇大広告は禁止(実際よりも低価格に見せるなど)
- 比較広告には注意(他院と比較して優位性を示す場合、客観的な根拠が必要)
といったルールは引き続き適用されます。
広告の内容が適法かどうか不安な場合は、獣医師会や専門家に相談しながら進めるのが安心です。
値上げのタイミングと方法
動物病院の価格設定は、開業してからずっと同じというわけにもいきません。
では、値上げするタイミングや方法はどのようにすればいいのでしょうか。
値上げの判断基準
動物病院も、人件費や薬剤費の上昇に伴い、定期的に料金を見直す必要があります。
値上げが必要なタイミングは
- 人件費や仕入れコストが上昇したとき
- 設備投資により診療の質が向上したとき
- 診療時間の延長やサービス内容が充実したとき
などが考えられます。
値上げの方法と飼い主への伝え方
値上げは慎重に行い、飼い主の信頼を損なわないようにすることが重要です。
値上げの前には、事前告知を行う必要があります。
値上げすることが決まったら、院内掲示やWebサイトなどで1〜2ヶ月前から告知しましょう。
「〇月〇日より、診療費を一部改定させていただきます」と明確に伝えることが大切です。
また可能であれば、値上げの理由を明確に説明しましょう。
理由をしっかり伝えることで、飼い主の納得感を高めることができます。
まとめ
動物病院の価格設定は、コスト・市場価格・付加価値を考慮して適正価格を設定する必要があります。
料金を決めたら、飼い主に納得してもらえるように工夫をしましょう。
開業時だけではなく値上げが必要な場合は、事前に告知し納得感を得られる理由を伝えるようにすることが大事ですね。
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